【要注意】不動産売却の失敗事例から学ぶ、不動産を売るコツとは?
最終更新日:2018/02/28 不動産売却特集
不動産売却は人生において何度も経験するものではありません。そのため、どういう点に気を付けながら売却活動を進めていけばいいのか正直よくわからないですよね。今回は、先人たちが経験してきた不動産売却失敗事例を紹介しつつ、どう注意すれば回避できたのかについて説明していきます。不動産売却をこれから考えている、また不動産売却中だけどあまりうまく行ってないという方はぜひご覧ください。
このページの目次
失敗事例1.やる気がない不動産会社にお願いしてしまった
まず最初にご紹介するのは、「お願いした不動産会社の担当者にやる気がない」というケースです。不動産売却がうまくいっていないと感じている人の多くに見られます。
「なぜ不動産会社はやる気を出さないのか?」については、後ほど理由を説明しますが、まずは実際に事例を見てみましょう。
今自宅を売却に出してますが、担当者が気が向いた時にしか行動してくれません。
専任媒介契約なのに報告もしないし、値段下げるよう伝えても値段は変わっていないし、やる気がないとしか言えません。
いい加減頭に来たので、辛口な口調でメールしたところ、無視されました。返事を催促しても無視です。もうどうすればいいのかわかりません。
自宅の中古マンションの売却をとある不動産会社に依頼していますが、正直不満があります。
なかなか内覧者すら集まらず、しかも対応が遅いです。募集も当初はインターネットサイトに掲載してくれるって話していたにも関わらず、「はいはい、やっておきますね」という感じで対応してくれません。結局一回だけしか対応してくれていない状況で、その後は相変わらずの貼紙のみの募集が続いています。
もともと、地元の地主が自分の不動産業の傍らに経営してるような感じで、まったくやる気を感じません。もう少しちゃんと調べてからお願いすればよかったです。
中古マンションを売り出してから数ヶ月たちますが、買主が一向に現れません。仲介業者は大手に依頼したのですが、大手だからいいかと思い、担当者に全面的にお任せしていました。
しかし、売出し後、数組の見学者はありましたが、その後はさっぱりです。
何か自分たちで出来ることは無いかと思い、部屋の中を綺麗に片付けたり、駐輪場やごみ置き場などの共用部を整理したり、見学者の都合に合わせて見学日を設定したりとかいろいろやってみたものの、あまり効果が出ていません。
担当者も途中で変えてもらったのですが、熱意があまり感じられません。
契約書にはレインズへの登録証の交付と2週間に一度の報告を行う旨の記載がありますが、レインズへの登録証ももらっていませんし、最初は何度か電話で状況報告はあったのですが、それ以降は一切ありません。
正直この不動産会社にお願いしたのを後悔しています。大手だからちゃんとやってくれるわけじゃないことを知りました。
昨年夏から自宅の売却活動をしています。
今契約している不動産会社はだれもが知っているような大手企業ですが、もうすぐ契約して一年になります。
値引きについても不動産会社の要望に応じてきましたが、これ以上値引き出来ない額まで下げた状態です。
2週間に一度、封書で活動報告がありますが、対面で会うのは契約更新のタイミングくらいです。「直接会って聞きたいことがある」と、先日電話で伝えたら「来週行きます!」と言われたのですが、連絡がないまま一週間経ちました。「あなたたちは、契約更新する時にしか来てくれないのですか」と言ってしまいそうです。
いかがでしたでしょうか?お願いした不動産会社の担当者がなかなかやる気を出してくれずに困っている人が多いことが見て取れます。
ではなぜ、あなたの担当者はやる気を出してくれないのでしょうか?多くの場合、下記の2パターンに分けられます。
- 不動産売却以外が本業である
- あなたの不動産を売るのが難しいと思っている
売却以外の事業が本業の不動産会社は要注意
不動産会社には、売り上げを立てる方法がいくつもあります。もちろん不動産売却も含まれますが、そのほかにも賃貸の仲介、賃貸管理、購入の仲介、買取など様々です。
もしあなたが、賃貸仲介をメインにしている不動産会社に、1-3月など賃貸の繁忙期に売却の依頼をしたとしたら、担当者の中でのあなたの不動産の優先度が上がらないであろうことは容易に想像がつきますよね。
この場合、担当者にやる気になってもらうというよりは、不動産売却が主事業の不動産会社を見つけて、依頼するという方法がおすすめです。
不動産会社は売れそうな物件から優先的に売る
不動産会社の売上は、成約しないと発生しません。成約しない不動産をどんなに頑張って宣伝しても、全く売上にならないわけです。
そのため、担当者がなかなかやる気を出してくれないのは、もしかすると、あなたが売りたいと思っている不動産が不動産会社にとって「売れない物件」と判断されてしまっているからかもしれません。
その際にあなたがやるべきことは、「不動産会社が把握していないあなたの不動産の魅力を担当者に伝えること」です。結果として担当者にあなたの不動産の良さが伝わり、「この点をPRすれば売れるかもしれない」と考え方が変わるかもしれません。
また不動産会社から「売れないだろうな」と判断されてしまう大きな要因の一つに「価格」も関係しています。担当者が「この不動産はだいたい1500万円くらいでしょう」と提案したにも関わらず、あなたが「いや、2000万以下では考えていない」と譲らなかったとしたら、担当者は「この不動産が2000万円で売れるはずないな」と考えて、ほかの不動産売却案件の優先度を上げてしまうかもしれませんよね。
「不動産会社の売上は成約時に発生する仲介手数料である」という点を踏まえて、「どうやったら担当者がやる気を出してくれるのか?」を考えてみるようにしましょう。
失敗事例2.担当者に知識がない
次にご紹介するのが「お願いした不動産会社の担当者に知識がない」というケースです。先ほどは「やる気がない」でしたが、今回は「知識がない」です。
実際の事例をご紹介しましょう。
仲介会社に不満溜まりまくりです。中古マンションの売却にあたって、とある不動産会社と話をしているのですが、担当者が適当で困っています。
こっちが質問したことに対して、ちゃんと調べずもせずに「多分~だと思います」を連発します。
「いや、適当に返さずに一回聞いてよ」って言ったらようやく「分かりました、ではまた連絡します」と。そして「出来ません」って言い張っていたのが、こちらから別ルートで問い合わせたら結局出来たり…と、かなり適当な対応をされています。
戸建ての売却をお願いしていますが、ついた担当が信頼できません。
こちらから不動産売却のことについて質問しても、だいたいの返事が「確認しますね」でそのまま終わりです。基本的なことですら答えられないのに、何千万もするような取引をお願いしてもいいものか、、とても不安に感じています。
ついた担当者の知識がなく、このまま任せていいのか不安に感じているケースです。担当者の知識がない理由は、たいてい下記の2パターンに分けられます。
- 新入社員など担当者の経験が少ない
- 担当者だけでなく、会社全体として不動産売却に力を入れていない
前者の場合は担当者を変えてもらうことで回避することができますが、後者の場合は不動産会社の変更を検討しましょう。前章でもお伝えしたように、売却以外の事業が本業の不動産会社は結構あるため、そのような会社に依頼をしてしまった場合は潔く変更しましょう。
失敗事例3.知り合いの不動産会社に頼んでしまった
ご紹介するのが「知り合いに不動産会社に勤めている人がいて、その人にお願いしたけども、全然成果が出ない」というケースです。
不動産仲介会社に勤めている人は意外と多く、親戚や知人の中に一人くらいいるという人が多いのではないでしょうか。確かに気の知れた人に相談すると、損得なしに対応してくれることも多いですが、いったいどのような失敗につながってしまうのでしょうか?
事例を交えてご紹介します。
現在、家を売却に出しています。
旦那の親が不動産屋なので任せることになりました。ただ、任せることになった後に気づいたのですが、その不動産屋はほとんど機能しておらず事務所も自宅で駅前にあるような大きな看板を出して広告しているような不動産屋ではありません。ただ名前だけ出しているような状態です。
お願いすることが決まってから家も見に来たこともこないし、私が「家の外観の写真撮ってもらって、チラシやホームページに掲載してもらうようお願いします」とお願いしても「チラシとかホームページに掲載してしまうと売れ残りっぽく思われて逆に売れないよ。売れるのは最低でも半年から1年はかかると思いなさい。」と言われました。
気になって調べてみると、3~6ヵ月で売れるケースが多いと書いてあり、面倒なので放置されてるのかなと言う気持ちでいっぱいです。
彼の親なので、あまり強く言うこともできないし、増してやお願いする不動産会社を変更したいなんて言えるはずがありません。このままでは家が売れない気がして毎日不安でたまりません。
中古マンションを売却しようと思い、ある不動産屋に勤務している知人の会社と専任媒介契約しました。知人の同僚とやらが担当者としてついてくれることになりました。ただこの担当者、正直やる気が感じられず、モヤモヤしています。
~契約前~
わたし「宣伝はしていただけますか?」
不動産屋「サイトAに掲載しますね。」
~契約後2週間~
わたし「サイトAに掲載されていないようです。他に変更されたのですか?」
不動産屋「サイトBに掲載することになりました。」
~現在(契約後1か月)~
わたし「サイトAにもサイトBにもまだ掲載されていない・・・。」
自分でもいろいろ調べてみましたが、宅建協会のサイトにのせているだけみたいです。それも媒介契約してから1ヶ月たつのに、まだ写真や図面をのせてない。また値引きや他応談なのに、それも書いてない。
この担当者にも知人にも何度か伝えたのですが、しつこくは言いづらいし、今更変更するのも気まずいので後悔しています。
いかがでしたでしょうか?
赤の他人に任せるよりは、知人にお願いした方が信頼できるとは思いますが、その知人があまりやる気を出してくれなかったり、そもそも売却のことをよく理解していなかったりする場合、今回ご紹介したようなことになりかねません。
もし知人にお願いしようか迷っている場合は、少なくともその人が本当に不動産売却を得意としているかどうかは必ず確認するようにしましょう。
失敗事例4.不動産会社に囲い込みされていた
4つめの失敗事例は「不動産会社に囲い込みされていた」というケースです。
そもそも「囲い込み」とは何を指すのでしょうか?囲い込みは「両手」「両手取引」と言ったりすることもあります。
「囲い込み」とは、売却を依頼された不動産会社が、その不動産を他の不動産会社に契約させないように囲い込むことを言います。通常の不動産取引は買い手と売り手のそれぞれに不動産会社が2社つき、仲介をしていますが、囲い込みの場合は買い手を売り手の間に1社しかつかないことになります。このことから、囲い込みのことを「両手取引」と言ったりするのです。
なお、囲い込みは証拠をつかむことが難しいため、今回ご紹介する事例はあくまで「囲い込みかもしれない」という事例になります。
自宅の売却のために不動産屋に専属専任媒介で依頼しましたが、契約から2ヶ月してからレインズに登録したことが、他の不動産屋からの連絡でわかりました。ルール上は契約後5日以内に登録する必要があるそうです。
おそらく契約後2ヵ月間は囲いこみをされていたと思います。
こちらは大変な思いで繁忙期に合わせて不動産会社を見つけ、内覧対応として部屋の掃除等進めてきたのに、悪質な不動産会社と契約してしまったために、売り時を逃してしまったように感じてとても悔しいです。
契約していた不動産会社(大手で名の知れたところです)に囲い込みされていたことがわかりました。
他社の不動産屋を経由して内覧希望の話を連絡してもらったところ、商談が全く入っていないのにも拘わらず「商談中です」と嘘を吐いていたことがわかりました。
これまでも何度もやっていた可能性があることを考えるととても残念で、怒りがこみ上げてきます。
囲い込みについてご理解いただけたでしょうか?
囲い込みを行う企業というのは、自社で売り手も買い手も見つけることができる、大手企業によく見られるようです。
気になる方は下記をチェックしてみましょう。
※外部サイトに遷移します
失敗事例5.価格が高すぎた
最後にご紹介するのは、「価格が高すぎた」という事例です。
売出価格をいくらに設定するか?は、誰もが悩む、非常に難しいテーマです。細かく説明する前に、まずは事例をご紹介しましょう。
昨年に一戸建てを売りに出しましたが、周りの成約事例などを見せてもらった上で、不動産業者の言う値段をつけていました。ただ半年たっても一件の内覧すらないので、値下げをしたのですが、それでも効果がありません。
週一回で出してもらっている報告書にも、「年末は毎年ちょっと厳しいが、少しずつ景気も上向きになってきている。」などと、期待をもたせるようなことが毎回書かれていました。お願いした会社が大手不動産会社ということもあったので、信用して待っていました。
ただ、冒頭で述べたように、あまりに何の反応がないので、「価格が高すぎるのではないか」と担当者に伝えたところ、「最初に依頼されたときに、そんなに急いでないといわれたので、ラッキーパンチを待つような気持ちでいました。相場を考えるともう少し価格を下げた方がいいかもしれませんね」と言われました。
試しに他の不動産業者に聞いてみたところ、いちばん低い会社は1000万円も今の売り出している価格の提示でした。その不動産会社に話を聞いてみたところ、「なんでこんな金額をつけたのだろう、内覧に一件でも来ているのだろうかと思い、どんな家か見にきたことがありますが、今の金額だと難しいと思います」と言われました。
もう売却を開始して1年ほど経過しますが、最初の段階できちんとした値段をつけてもらっていれば、もしかしてすぐに売れたのでは・・・と思うと悔しいです。
不動産を含めたモノの取引というのは、価格が安いほど買い手が見つかりやすく、価格が高いほど買い手が見つかりづらくなります。不動産の取引がお菓子やシャンプーのような食品や消費財と大きく違う点は、「たくさんの人に売る必要がなく、一人の買い手を見つければいい」という点です。
そのため、たくさんの人から買ってもらえるような価格にする必要はなく、一部の人から買いたいと思ってもらえるような価格にすることがポイントです。
と言ってもなかなかイメージしづらいですよね。いざ売出価格について不動産会社と相談する際は、「強気」「中立」「保守」の3パターンで価格を出してもらうのがおすすめです。
- 強気:運が良ければ買い手が見つかるであろう価格
- 保守:数か月経過すればほぼ買い手が見つかるであろう価格
- 中立:強気と保守の間
これらの価格やローンの残債分を踏まえて売出価格を決めましょう。
同じ失敗を繰り返さないために注意したいこと
いかがでしたでしょうか?
このページでは、不動産売却にまつわる失敗談についてご紹介してきました。「当たり前のことが書いてある」と感じた人もいると思いますが、不動産売却をいざ経験してみるとわからないことだらけであり、ずるずると変な方向に走ってしまう人が多いのも事実です。
今回ご紹介した内容によく注意して、ぜひ不動産売却を成功させてくださいね!
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