古いマンションの売却戦略!売れないマンションを売る方法とは?
築年数の古い中古マンションを売りたい方は、さまざまな悩みをお持ちのことと思います。
- 「資産価値っていくらなんだろう?」
- 「物件の魅力が分からない」
- 「買い手は何を不安に思っているんだろう?」
- 「そもそも売却の流れって?」
- そして、「売れない場合ってどうすればいいんだろう・・・?」
そんな不安をお持ちのあなたに向けて、役立つ情報をまとめてみました。
ぜひご参考にして下さい。
このページの目次
築年数別に見た古マンションの状況
築10年の古マンションの資産価値
築10年というと、中古マンションの場合、まだまだ築浅物件と言われるくらいなので、資産価値としては十分にあると言えます。具体的には、東京都内で築10年ですと、新築価格から比べて、75%ほどの価格で売却することができると言われています。
1度でも人の手に渡れば新築というプレミアムがなくなりますが、築10年であれば、設備やセキュリティ面でも、最新の物件と比べて見劣りしないマンションが多いためです。
また、不動産の購入を検討されている買主さんも、新築だと価格が高く手をだしにくいという方々は、築10年前後の中古マンションを検討する傾向がありますので、需要の面からいっても、築10年の資産価値は十分にあると言えるでしょう。
築20年の古マンションの資産価値
築20年というと、少し古いイメージを持たれる方もいらっしゃるかと思いますが、マンションの場合、鉄骨や鉄筋で造られているということもあり、築20年で資産価値がなくなるということはありません。木造の戸建の場合は、築20年を過ぎると資産価値がなくなると言われますが、マンションの場合は、まだまだ資産価値があるといって良いでしょう。
マンションの売却を考える上で一つポイントとなるのが、「新耐震基準を満たしているかどうか」です。地震に対する建築基準は、1981年に大きく基準が見直されました。その「新耐震基準」を満たしているかどうかが、不動産の購入を検討する際に、買主さんが気にする点であり、結果として売却金額を左右することになります。
その点、築20年であれば、「新耐震基準」が設定された1981年以降に建築されていることになるので、資産価値を考えた時に弱みにはならないと言って良いでしょう。
加えて、不動産の購入を検討する際に重要になってくるポイントとして、税金が挙げられます。マンションの場合、毎年かかってくる税金として、固定資産税があげられますが、固定資産税は築浅のマンションと比べると低くなるというメリットがあります。マンションの固定資産税は、土地と建物とでそれぞれ計算されるのですが、建物の固定資産税は、築年数と連動して安くなっていきます。築20年のマンションであれば、建物分の固定資産税は新築時の、50%ほどになりますので、これも資産価値という点では利点の1つと言えますね。
築30年の古マンションの資産価値
築30年のマンションはボロボロで全然資産価値はないのではないか、と考える方も多いと思いますが、築30年の古マンションにも魅力はあります。マンションの場合、新築から築20年から25年までは価格の下落率が高いと言われますが、それ以降は比較的安定し、大きく値段が下がりにくいのです。
また最近ですと、マンションを建てられる土地が限られているため、どうしても立地上メリットの少ない場所にマンションを建てざるを得ない場合も多いですが、今よりも土地の選択肢が多かった30年前に建てられたマンションは、値段に比べて良い立地に建てられているケースも多いです。そういった意味では、よい立地のマンションを保有できるという点では、築30年のマンションにも資産価値があると言えますね。もちろん30年前であれば、先ほどご紹介した新耐震基準もクリアしていますので、地震対策の面からも問題ありません。
とはいえ、30年も経てば室内や外壁の補修・リノベーションなどが必要になってきたり、月々の管理費や修繕費の負担がかさんでくる時期でもあります。資産価値が減少しやすい時期であることは間違いありません。
築40年の古マンションの資産価値
築40年ともなってくると、資産価値はかなり下がってしまっていると言えるでしょう。築40年のマンションというと、建築されたのは1970年代の高度経済成長期ですので、築40年前後のマンションは数も多いです。また、新耐震基準が成立するよりも前になるので、地震を気にされる買主さんは敬遠する傾向があります。
ただ、築40年のマンションの資産価値が全くないという訳でもありません。
建物自体は築40年であってもメンテナンスをすれば、住まいとして十分に活用できますし、近年では、新築マンションに比べて、自由度が高い、古いマンションをリフォーム、リノベーションして低価格で住まいを購入したいというニーズもあります。
良い買主さんと出会うことができれば、きちんと売却することもできますから、まだリフォームなどして住める築40年のマンションにも、一定の資産価値があるといえるでしょう。
古いマンションを買う人は、何を魅力に感じているのか?
魅力1「価格の安さ」
マンションの価格は、マンションの購入者の大半が最初に意識するポイントです。従って、「価格の安さ」は古いマンションの大きなアドバンテージとなっています。
レインズのデータによると、築年数21年以上の物件は新築物件に比べて大幅に安く買うことができます。【参照:築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2015年) 】
そしてマンションを安く購入できるということは、リフォームなどの余裕も持てますし、資産価値も上げることができます。新築購入の場合、わずか5年で大きく資産価値が減少してしまう可能性があると考えると、価格の安さは古いマンションの大きな魅力となっています。
魅力2「作りがしっかりしている」
近年の耐震偽装・構造計算書偽造問題などにより、マンションの作りがしっかりしていることは、中古マンションの大きな魅力となっています。
ファザード(建物正面外観)やエントランスの造りなど、しっかりした雰囲気を持つ物件も多いですし、最近の物件では少なくなった広いリビングのあるファミリー物件も、中古マンションには多く存在しています。特に、バブル時期に建てられた物件には「造りが良い」と評価、感じる方が多いように感じます。
更に、新耐震基準(1981年(昭和56年)6月1日より施行)や、防音性能などの強みがあれば、マンションの購入を検討している方にとって魅力的なものとなるでしょう。
魅力3「気軽に住み替えできる」
中古マンションは購入後に資産価値が下がりにくいため、気軽に住み替えできるというのも中古マンションの魅力です。
自分の都合で住み替えする場合でも、仕事などで止むを得ず住み替えをする場合でも、極力経済的な負担を回避したいと考えるのは当たり前のことです。「買った後でも価値が下がりにくい」ということは、マンションを買った後も安心できますので、中古マンションのほうがより気軽に住み替えられると言えるのではないでしょうか。
更に、マンションなどの購入では、「住む場所が変えられなくなる」ということを懸念されている方も案外多いものです。こうした購入希望者のニーズに答えることができるのも、中古マンションの魅力となります。
魅力4「自分好みにリフォームできる」
住まいを安く購入し、自分好みのテイスト・間取りにリフォームしたい方は少なくありません。最近では各メディアや雑誌でもリフォームが取り上げられるようになっており、賃貸物件でさえもリフォーム可能な物件が見られるようになってきています。
なお、リフォームに対するニーズに対応する為に、構造によって「壁式構造」の様に間取りの変更が困難になる構造もあります。リフォームに関する情報を購入希望者に提示する準備をしておく事も、お持ちのマンションの魅力を最大限に引き上げることに繋がります。
魅力5「立地の良さ」
物件の生命線ともいえる立地の良さも、もちろん魅力となります。
中古マンションは、新築マンションに比べて良い立地に建っている傾向があります。というのは、建物は立地が良いところから順番に建てられていきますので、中古物件であれば、それだけ良い立地になりやすいからです。立地は、住み替えによる物件の売却時にとても大きなアドバンテージとなりますので、最重要事項と言えます。
魅力6「豊富な物件量」
購入希望者にとっては豊富にある物件の中から選ぶ事が出来ることも大きな魅力となります。
高度経済成長期に起こったマンションブームにより、中古マンションには大量に物件のストックがあり、購入希望者の希望エリア・価格・間取り・設備、更にはリフォームの可否なども沢山の物件から選択出来るというのも中古マンションの魅力となっています。
例えば当初は郊外の新築マンションを探していた購入希望者が、条件等によって都内近郊の中古リフォームマンションを契約するという事も珍しくありません。
古いマンションを購入する際に、買い手が感じている不安
不安1「見えない欠陥」
表面的に見て判断のつかない「見えない欠陥」は購入希望者の大半が抱えている不安です。
代表的なものは設備・配管に対しての不安で、設備の点検や配管の修繕記録などがあれば、それをまとめた物件状況報告書などの準備をしておくと円滑に話を進める材料となります。「瑕疵担保責任」は、話のまとまらない原因となることがよくあります。
売主としては、「瑕疵担保責任」を購入希望者に明確にし、一方で「瑕疵担保責任の特約」で売主の免責に関しても慎重に設定する必要があります。
不安2「耐震性」
東日本大震災をはじめとする地震が建物へ与える影響は購入者にとって大きな不安材料となっています。
震災による周辺の地盤への懸念もありますが、大半は建物自体に与える影響を懸念するものがほとんどですので、東日本大震災による建物の被害状況などの資料を使って「新耐震基準」によって建築された建物の被害が軽微な事を購入希望者に示し、可能であれば周辺のハザードマップの情報も合わせて説明する事で不安の軽減をねらえます。
不安3「騒音問題」
騒音に関する問題は良く聞くところで、購入希望者にとっても関心を寄せる不安要素のひとつとなります。騒音問題により、体の不調を起こすなど訴訟問題にまで発展しうるデリケートな問題ですので慎重な対応が必要になります。
建物の作りによる防音性(鉄筋コンクリート造・鉄骨造など)、設備による防音性(二重窓・二重床、二重天井など)があれば明示し、ペット飼育の制限の有無なども明示することにより購入希望者の不安の解消の他、契約後のトラブルを回避することが出来ます。
不安4「管理状態・住民のモラル」
建物の管理状態やそこに住む住民のモラルも、購入希望者の不安要素に挙げられます。
管理状態は毎月の支払いに、住民のモラルは住んでいる以上つきまとう問題ですので、購入希望者の関心も高いと言えます。
管理状態に関しては新築物件と比べて管理組合の詳細、今後の修繕計画、修繕積立金の積立状況といった豊富な情報が提示できるといったことが築深物件の最大のメリットとなりますので多少見栄えが悪い内容であっても明示することで購入希望者の不安を軽減する事が出来ます。
住民のモラルの面では、内見などで「共用部分に入居者の私物が放置されている。」「集合ポストが整理されていない。」といった所が悪印象を与えやすい要因となります。
管理状態を判断する材料ともなりますので意識をする事が必要となってきます。
不安5「周辺の利便性と安全性」
建物に関する不安の他にそれと同等かそれ以上に購入希望者の関心を寄せるのが周辺施設などの利便性と安全性が挙げられます。
住んでみてはじめて分かるという性質の情報ですので前もって知っておく事で対策も出来ますし、購入希望者にとっては重要な判断材料となり、また売買契約に関わらない情報が多い事もあって、情報を提示する事で購入希望者との関係の構築にも繋がります。
また周辺の安全性では震災関連に隠れて意識されていない、もしくは見落とされがちな周辺道路の冠水や、洪水情報の提示などをハザードマップを使うなどして提示する事も有効です。
リフォームはした方がいい?
基本はリフォームせずに売却するべき
一般的には、マンションを売却する時、リフォームをせずにそのまま買い手を探した方が売りやすいと言われています。その理由は、買い手ができる限り安く購入し自分の好みにリフォームしたいと考えること、そして売り主に手を加えられると瑕疵が隠しているのでは?と心配されてしまうことなどが挙げられます。
加えて、売り主がリフォームを行って売却しようと思っても、その工事費用を売却価格にそのまま上乗せできるわけではないため、メリットが少ない、という点も挙げられます。
けれども築年数が30年を超えるような買い手のつきにくいマンションは、リフォームをすることで売りやすくなるケースもあります。では実際に、そのようなリフォーム済みのマンションの需要はどれほどあるのでしょうか?
部分的にリフォームをするのは効果的
一般社団法人不動産流通経営協会が2014年に発表したレポートがあります。これによると、首都圏の1都3県での中古住宅購入者のうち、中古マンションを購入して自らリフォームを行ったのは47.3%だそうです。つまり半数近くは自分でリフォームすることを前提に中古マンションを購入していると考えられます。この数値を見ると、リフォームをしても中古マンション需要の半分ほどしかターゲットにならないように思えます。
さらに細かくデータを見てみると、リフォームで人気なのは壁や床の内装で、84.8%の人が手掛けています。次に水回りの設備で65.9%、そのうちキッチンは51.7%でトイレが45.5%、そして浴室の39.0%と続いています。つまり、リフォームといっても室内丸ごと手掛けるわけではなく、最も好みが反映される部分を中心に行っていることが分かります。そしてもうひとつ、買い手は中古物件を購入する際に、リフォーム費用は通常、住宅ローンよりも金利の高い融資を利用することになります。つまり、最低限の工事で済ませることができれば買い手の負担も少なくなるというわけです。そこで部分的にリフォームを行うことで、売りやすくなるのではないかと考えられます。
差別化としてのリフォーム
アベノミクスを背景に不動産市場は値上がりし、地価も上昇しています。けれども日本は人口の減少が明らかである上に、少子高齢化が進んでいます。不動産市場も今後は縮小が見込まれていますし、現在のマンション建設ラッシュが中古市場の競争を激しくさせると考えられます。
つまり、リフォームせずにそのままの状態で売却しようとしても、今後は売却が厳しくなることが予想できます。中古マンション市場の高い競争率の中で売り抜けるためには、値下げ幅を大きくするなど買い手のメリットを前面に出さなければならないというわけです。
そのような中で売却を有利に進める戦略として、リフォームで付加価値をつけることが挙げられます。購入者自身があまり行わないリフォームをしておくことで居住性を高めて、他の物件との差別化を図るというわけです。例えば前述レポートのリフォーム工事の割合では、収納スペースの改善や防音性の向上といった工事はあまり行われていません。あるいは高齢者のための手すりを取り付けるといったリフォームを行っておくと、買い手がつく可能性を高めることができるのです。
まとめ
古いマンションの売却について、特に押さえておくべき点をまとめました。
一見魅力にが少なく感じられる古いマンションでも、良い点はたくさんありますし、工夫次第でもっと価格を上げられることもあります。
また、不動産会社などとチームを組んで頑張れば、マンションを売ることは決して難しいことではなくなるはずです。できることを一つ一つ積み上げてまいりましょう!
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